朝と昼で身長が違う現象は、実際に多くの人に起こります。
その主な理由は、重力の影響と脊椎の構造。
人間の脊椎は、脊椎骨とその間にある椎間板で構成されています。
椎間板は水分を多く含むゲル状の物質で、クッションの役割を果たしています。睡眠中は、体が横になっているため重力の影響が減少し、この間に椎間板が水分を吸収して膨らみやすくなります。その結果、朝起きた時には脊椎がわずかに伸びて、身長が高くなるのです。
一方、日中は起きて活動している間、重力が脊椎にかかり続けるため、椎間板が圧迫されて水分が押し出されます。これにより、椎間板が縮小し、脊椎が縮むため、朝よりも夕方や夜にかけて身長がわずかに低くなります。
この変化は一般的に数ミリメートルから多くても2センチメートル程度であり、健康上の問題を示すものではありません。
身長のこのような日中の変動は正常であり、人間の体の自然な機能として理解されています。
では、椎間板と身長の変動についてもう少し詳しく見ていきましょう。
人間の脊椎は24個の脊椎骨とそれらの間にある椎間板で構成されています。椎間板は主に水分を含むゲル状の核(髄核)と、それを取り囲む繊維質の輪(線維輪)から成り立っており、脊椎の柔軟性を保ち、歩行や走行などの活動中に脊椎骨間の衝撃を吸収する役割を果たしています。
朝の身長増加
夜間の休息
夜間に横になって休むと、脊椎にかかる圧力が軽減されます。これにより、椎間板が圧迫から解放され、周囲から水分を吸収しやすくなります。椎間板が水分を吸収して膨らむと、脊椎が伸び、結果として身長が若干増加します。
重力の減少
横になっている間、重力の影響が直接的に脊椎にかからなくなるため、椎間板の圧迫が軽減され、より多くの水分を保持できるようになります。
日中の身長減少
活動による圧力
日中に活動すると、立っている、歩いている、座っているなどの姿勢により、脊椎に重力がかかり続けます。この重力の影響で椎間板が圧迫され、水分が絞り出されるため、椎間板の高さが減少します。
椎間板の圧縮
椎間板が圧縮されると、脊椎全体の長さも短くなり、その結果、身長が朝に比べて夕方にかけて少し低くなります。
身長変動の範囲
朝と夕方での身長の変動は通常、数ミリメートルから1センチメートル程度です。この変化は一般的に健康上の問題を示さず、人体の自然な調整機能と見なされています。
身長測定の最適なタイミング
この日中の身長の変動を考慮すると、最も正確な身長を測定するためには、一定の時間帯に測定することが推奨されます。多くの場合、朝起きた直後に測定すると、その日の「最大」身長を得られます。
朝と夕方での身長の違いは、椎間板が水分を吸収し膨らむ能力と、日中の活動による圧縮によって生じる自然な現象です。これは人体の素晴らしい適応メカニズムの一つ。健康や成長に対する直接的な影響はありませんが、身長測定の際には一貫した方法を選択することが重要ですね。
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