大根はおろす事で辛味が出るって本当?辛味を出さない食べ方も伝授。

大根をおろすときに辛くなるのは本当で、
その理由は大根の細胞が壊れることによって起こります。

大根

大根に含まれるイソチオシアネートは、元々は異なる化学成分として細胞内に存在しています。主に、グルコシノレートという化合物とミロシナーゼという酵素があります。これらは生きている大根の細胞内では別々の場所に保管されており、通常は反応しません。

しかし、大根を切ったりおろしたりすると、細胞が物理的に破壊され、これまで分離されていたグルコシノレートとミロシナーゼが混ざり合います。この時、ミロシナーゼがグルコシノレートを分解してイソチオシアネートを生成し、これが強い辛味を引き起こします。

この反応は、大根を細かくするほど、つまり細胞がより多く破壊されるほど、より多くの辛味成分が生成されるため、おろし大根は特に辛く感じられます。この化学反応は、大根の自然な防御機構の一部であり、植物が食害者から自身を守るためのものです。おろし大根の辛味は、このような化学反応の結果として生じるのです。

では、辛味を抑える「切り方」「食べ方」「時期や品種」などを伝授!!

目次

切り方によって辛味の度合いを調節

  1. 大きめに切る
    大根を大きめに切ることで、細胞の破壊を最小限に抑え、辛味成分の生成を減らすことができます。例えば、煮物やサラダ用には、輪切りや大きめの乱切りが適しています。
  2. 皮をむく
    大根の皮の近くには辛味成分が多く含まれているため、皮をむくことで辛味を減らすことができます。全体の辛味を和らげたい場合は、皮を厚めにむくと良いでしょう。
  3. 繊維に沿って切る
    大根の繊維の方向に沿って切ることで、細胞の破壊を抑えることが可能です。繊維に逆らって切ると細胞がより多く破壊され、辛味が強くなる傾向があります。例えば、繊維に沿って長いストリップに切る方法があります。
  4. スライスする
    薄くスライスすると、表面積が増えて辛味成分が水などに溶出しやすくなります。サラダや漬物にする場合は、この切り方を選び、さらに水にさらしたり、塩もみすることで辛味を抑えることができます。
  5. おろす
    おろした大根は最も辛味が強くなりやすいですが、この辛味を生かしたい場合や、和え物、ドレッシングなどに使用する場合に適しています。辛味を抑えたい場合は、上記の方法(水にさらす、酢水にさらすなど)を併用します。

切り方を変えることで辛味を調節することができますが、料理によっては辛味が欲しい場合もあるため、目的に応じて最適な切り方を選ぶと良いでしょう。

大根

食べ方、処理の仕方によっても変わります。

  1. 水にさらす
    大根をおろした後、しばらく水にさらすことで辛味成分を抽出し、辛味を和らげることができます。水にさらす時間は、辛味の強さにもよりますが、数分から30分程度が目安です。ただし、あまり長時間水にさらしすぎると、辛味だけでなく、大根本来の風味も失われる可能性があります。
  2. 酢水にさらす
    水に少量の酢を加えた酢水にさらす方法も、辛味を抑えるのに効果的です。酢の酸味が辛味成分を中和し、さらに風味を良くする効果も期待できます。この方法も、数分から数十分さらすことが一般的です。
  3. 加熱する
    加熱することでイソチオシアネートの揮発を促し、辛味を和らげることができます。大根を煮物やスープに使う、または軽く蒸すことで、辛味が抑えられます。加熱によって、大根はより甘みを帯びることが多いです。
  4. 塩もみする
    大根を薄切りにして塩もみすると、水分が抜け、辛味成分が減少します。塩もみした後に水で軽く洗い流すと、辛味がさらに和らぎます。
  5. 甘味料を加える
    大根の料理に少量の砂糖やみりんを加えると、辛味の感じ方が抑えられます。甘味料は辛味成分とのバランスを取り、全体の味わいをまろやかにします。

これらの方法を試すことで、大根の辛味を抑えながら、さまざまな料理に大根を取り入れることができます。料理の目的や好みに合わせて、適切な方法を選んでください。

おでん

辛味が少ない時期や、収穫方法、品種など

大根の辛味は、その時期や収穫方法、そして品種によって大きく異なります。
一般的に、大根の辛味は低温によって抑えられる傾向があります。
これは、寒い時期に生育した大根では、辛味成分を生成する化学反応が抑制されるためです。そのため、冬に収穫される大根は、夏や秋に収穫されるものに比べて辛味が少ないとされています。

収穫方法も大根の辛味に影響を与えます。
例えば、早朝に収穫された大根は、日中に収穫されるものよりも辛味が少ないことがあります。これは、日中は温度が上がり、大根内の化学反応が活発になるため、辛味成分がより多く生成されるからです。また、水分管理にも注意が必要で、適切な水分を保つことでストレスを減らし、辛味成分の過剰な生成を防ぐことができます。

大根

品種による違いも大きく、辛味の少ない品種が開発されています。
一般的に、辛味が強い品種と比べて、辛味が少ない品種ではグルコシノレートの含有量が自然と低いため、辛味が抑えられています。
これらの品種は、サラダや生食用に特に適しており、辛味が苦手な人でも楽しむことができます。

辛味が少ない大根を選ぶ際には、これらの点を考慮することが大切です。
寒い時期に収穫されたもの、適切な収穫時間と水分管理を行ったもの、辛味の少ない品種を選ぶことで、辛味を抑えた大根を楽しむことが可能になります。各品種の特徴や栽培条件を理解することで、料理や食の好みに合わせて最適な大根を選ぶことができるでしょう。

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