ウェディングドレスが白色であることが定番とされるのは、主に清純や純潔を象徴する色としての伝統からきています。
しかし、その起源は比較的新しく、19世紀中頃にさかのぼります。
具体的には、1840年にイギリスのヴィクトリア女王がアルバート公と結婚する際に、白いウェディングドレスを着用したことで広く知られるようになりました。
この女王の選択は、当時のファッションに大きな影響を与え、以後、白いウェディングドレスは「純潔」や「清純」を象徴するものとして、西洋の結婚式での標準的な色となりました。
それ以前は、ウェディングドレスの色は多様で、特に特定の色が結婚式における標準とされていたわけではありませんでした。
結婚式でのドレスの色は、時代や地域、社会的地位によっても異なっていました。しかし、ヴィクトリア女王の結婚式以降、白いドレスは西洋文化における結婚式の象徴的な要素の一つとなり、現代に至るまでその伝統が続いています。この伝統は、時間が経つにつれて世界中の多くの文化にも影響を与えてきました。
日本の白無垢はどんな由来があるのでしょう。
日本の結婚式で新婦が着用する白無垢は、日本の古い伝統と文化に根ざした歴史的背景を持つ衣装です。
この衣装の起源は、古代日本の宗教観と深く結びついていて、特に神道の影響が色濃く反映されています。神道では、白色は清浄と神聖を象徴する色として重んじられ、神々との交流や儀式の際には、穢れを払い清めるために白色の衣を身につける習慣がありました。
白無垢の「無垢」は、「純白」や「汚れなき」という意味を持ちます。
これは新婦が新たな生活を純潔な状態で始めること、そして新しい家族の一員として迎え入れられる際に、過去の一切を清算し、純粋な状態で新しい人生を歩み始める意志を象徴しています。この衣装を通して、新婦は自らの無垢さと新しい家族への尊敬と帰属意識を表現します。
また、白無垢は新婦が新しい家族に迎えられる際に、その家族の色に染まるという意味合いも持ちます。これは、結婚によって新婦が夫の家族の一員となり、その家族の一部として新たな人生をスタートさせるという日本の伝統的な家族観を反映しています。
歴史的に見ると、白無垢は平安時代から存在していて、その形や意味合いは時代と共に進化してきましたが、その核となる思想、つまり純潔と新しい始まりの象徴という点は変わらず受け継がれています。
現代においても、多くの日本人新婦が結婚式で白無垢を選び、自らの新たな門出を象徴的に表現しているのです。
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