コンタクトレンズを最初に考えたのは、イタリアの発明家・科学者のレオナルド・ダ・ヴィンチ。
1508年に彼は、「眼のコルネアの光学的特性を変化させる方法」というアイデアを記述しました。
このアイデアは、水を含んだガラス球を用いて視力を補正することを提案したもので、現代のコンタクトレンズの原理につながる考え方でした。
しかし、実際に実用化されたのはそれから数百年後のことで、1888年にスイスの眼科医アドルフ・フィックによって最初の実用的なコンタクトレンズが作られました。フィックの作ったレンズは、ガラス製で眼球を覆う大きさで、現代のものとは大きく異なっていましたが、これがコンタクトレンズの歴史の始まりです。
最初のコンタクトレンズはどんなものだったのでしょうか。
最初のコンタクトレンズは、現代のものとは大きく異なり、非常に原始的なものでした。
フィックの作ったレンズはガラス製で、非常に重く、眼球全体を覆うサイズです。
これらのレンズは、主に角膜の問題を持つ患者に対する視力矯正のために使用されました。
当時の技術では、これらのガラス製レンズを長時間快適に装着することは非常に困難でした。
レンズは眼球に直接触れるため、装着できるのは数時間が限界で、酸素の透過性もなかったため、眼にとって非常に不快で危険な場合もありました。
このような問題にもかかわらず、フィックによって作られたコンタクトレンズは、視力矯正のための眼鏡に代わる革新的なアプローチとして、コンタクトレンズの歴史において重要な一歩となったのです。その後、技術の進歩により、より軽量で、より快適に長時間装着できる、酸素透過性のある素材で作られたコンタクトレンズが開発されていきます。
今のコンタクトレンズの最先端
現代のコンタクトレンズの技術は、快適性、機能性、および目の健康を大幅に向上させるために大きく進化しています。
いくつか見ていきましょう。
シリコーンハイドロゲル素材
シリコーンハイドロゲルは、従来のハイドロゲル素材よりもはるかに多くの酸素を目に届けることができる素材です。これにより、長時間の装着でも目の健康を維持し、快適性を向上させることができます。
デイリーディスポーザブルレンズ
1日ごとに新しいレンズに交換することで、感染のリスクを減らし、メンテナンスの手間を省けます。このタイプのレンズは、衛生的で健康的な選択肢として人気があります。
多焦点コンタクトレンズ
遠近両用眼鏡のように、多焦点コンタクトレンズは近視と遠視の両方に対応でき、加齢による視力の変化(老眼など)に対応することができます。
スマートコンタクトレンズ
健康モニタリング機能を備えたスマートコンタクトレンズは、涙液中のグルコースレベルの測定など、目の健康や全身の健康状態を監視するためのセンサーや電子機器を内蔵しています。これらはまだ研究開発段階にあるものも多いですが、将来的には糖尿病の管理などに革命をもたらす可能性があります。
UVブロッキング
一部のコンタクトレンズは、紫外線(UV)をブロックする能力を備えていて、目を太陽の有害な影響から守ることができます。
技術の進化は続いていて、将来的にはさらに多くの革新的な製品が市場に出ることが予想されます。
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